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【試合レビュー】LAラムズ 2021Week3 vsバッカニアーズ

2021Week3バッカニアーズ対ラムズ試合レビューラムズ

試合結果

スーパーボウルディフェンディングチャンピオン、タンパベイ・バッカニアーズをホームに迎えたこの一戦。バッカニアーズは昨年の13試合目から10連勝中と向かうところ敵なしといった状態で、QBトム・ブレイディも今季ここまで9TDとGOATぶりを遺憾無く発揮していましたが、ラムズのQBマシュー・スタッフォードが4TDの活躍を見せ見事ラムズが開幕3連勝を飾りました。

スタッフォードが止まらない!

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成功/試投成功率ヤード平均TDINT被サックレイティングBadThDrops
M.スタッフォード27/3871.1%3439401-1213471
T.ブレイディ41/5574.6%4117.9103-2110392

スタッフォードは最初の2つの攻撃シリーズで6つのパスを投げましたが、そのうち成功したのは1度のみで2度のパントに追い込まれました。唯一成功したパスもディフェンスに弾かれ乱れたボールをウッズがうまくキャッチしたもので、通常であればインコンプリートになっていたようなパスでした。両チーム2回の攻撃シリーズではほとんどボールを前に進めることができなかったので、この時点ではロースコアの渋い試合になりそうだな…などと思っていましたが、その次のラムズの攻撃からは一転、8回のパス全てを成功させてこのシリーズだけでパス69ヤードを稼ぎタッチダウンを決めました。

その後も攻撃の手を緩めることはなく、スタッフォードは続く3回の攻撃全てでタッチダウンパスを決めるなど大活躍。6回中1回だったパスも蓋を開けてみれば38回中27回成功(71.1%)で343ヤードを投げて4TD、0INTと獲得ヤードとTD数は移籍後で最高の数字を叩き出し、早くも今季2度目のNFCオフェンス部門週間最優秀選手賞を受賞しました!まだWeek3ですがもうすでにスーパーボウルが見えてきている気がします…強肩と正確性を兼ね備えていると思えば、おしゃれなサイドスローや下の動画ようなノールックパスを見せるなど多彩で才能豊かなプレイヤーですね。

伏兵ジャクソンと安定のカップ

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この試合のスタッフォードのスタッツで気になった指標の一つがIAY(Intended air yards – パスの成否に関わらずレシーバーがパスターゲットになった時の距離。ボールが飛んでいた距離みたいな感じですね)。Week1、2ではこのIAYは228ヤード(平均8.8)と218ヤード(7.3)だったのに対し、この試合では357ヤード(9.4)と今までよりも深い位置へのパスを狙っていたことがわかります。これは一重にデショーン・ジャクソンの起用が大きかったでしょう。

同じようにレシーバー側がパスターゲットになった時にどれだけ深い位置にいたかの平均を示すADOT(Average depth of target when targeted – パスキャッチ成否に関わらずターゲットになった回数で割った平均)は、クーパー・カップが平均8.9ヤード、ロバート・ウッズは9.8、ヴァン・ジェファーソンも9.7だったのに対し、ジャクソンは27.2とずば抜けて高い数字を記録しました。ジャクソンはこのディープに走る能力を生かして、キャッチは3回ながらも120ヤード(平均40ヤード!)、1TDでこの試合のリーディングレシーバーとなりました。伏兵と言うにはあまりにも実力のある選手ですが、今季はWeek1に2回のキャッチをしただけだったジャクソンがついにWeek3でその真価を披露したかたちでした。

またWeek1、2に引き続きこの試合でもクーパー・カップはキャッチ9回で96ヤード、2TDの活躍を見せ、Week3までのレシーブヤード(367)とレシーブタッチダウン(5回)でリーグ1位につけています。試合あたりのパスキャッチ数も8.3回でパッカーズのデバンテ・アダムスに並んでリーグ1位となっていることからも、カップの安定感といかにスタッフォードから信頼されているか(パスターゲットになっているか)が伺えますね。そして嬉しいことにカップはNFC攻撃部門の月間最優秀選手を受賞しました!今後もスタッフォードと一緒に素晴らしいプレーを見せて欲しいですね。

OLだって頑張ってる

Week3までの3試合でスタッフォードの真価は証明されたとは思いますが、もちろん今年になっていきなりスタッフォード自身が眠れる力に目覚めたということではないでしょう。

こちらはWeek3までのスタッフォードの成績を昨年と今年で比較した表です。

勝利獲得ヤードTDINTレイティングDrops被サックHitsPrssPrss%
昨年1勝811(平均270)52平均95.710992218.7%
今年3勝942(平均314)91平均129.85361313.3%
昨年と今年のWeek3までの主要スタッツ比較

ここら辺は次週Week4が終わった後に、シーズンの1/4が終わった時点でのまとめみたいなものを書きたいと思っているのでそこで詳しく見ていければと思うのですが、特筆すべきは被サック、Hits、プレッシャーが格段に低くなっているという点ですね。それだけ堅牢なオフェンスラインに守られているということで、環境の変化によって本来の力を十二分に発揮することで獲得ヤード、TD数、INT、レイティングが向上しているというのが如実に出ています。特に被サックが3つというのは、3試合に先発しているQBの中でリーグ最小の数字となっているので、スタッフォードはのびのびとプレイをできているんじゃないでしょうか。またDrops(レシーバーが通常の努力をすればとれたパスを落とすこと)も半減しているので、OLだけでなくレシーバーにも恵まれているというのもこの数字を見るとわかりますね。

我々はソニー・ミッシェルをどう見るか

この試合RBダレル・ヘンダーソンの代わりに起用されたのが、今季ペイトリオッツからトレードで獲得したRBソニー・ミッシェル。キャリー20回で67ヤード(平均3.4)、レシーブは3回で12ヤード(平均4)と合計79ヤードを獲得しました。

Week2までのヘンダーソンの数字がラン平均4.2ヤード、レシーブ平均11.5ヤードなので、比較すると物足りないパフォーマンスだったかな?というのが正直な感想でした。しかしそれ以外の部分で見てみると、バッカニアーズディフェンスのブリッツに対してしっかりパスプロテクションをしており、実質的なデビュー戦としては上々の出来だったとする海外の記事も見受けられます。

確かに上の動画のようにブリッツに反応してスタッフォードを守っているナイスプレーもあり、試合に貢献していたと言えます。しかしながらいくらスタッフォードのパスが冴え渡っているとはいえ、これから対策されることが予想されるためパスにばかり偏重しているとどこかで躓きかねない。今のRBルームで贅沢は言ってられませんが、次戦でまたもヘンダーソンが欠場するようであればもう少し突破力を見せて欲しいですね。

ただ今年のオフェンスの変更点としてプレイアクションが減少傾向にあります。それはマクベイHCによるスタッフォードへの「小細工しなくてもパス通せるでしょ!」という絶大な信頼とも取れるので、このまま方針を変えることなく、パス多めラン少なめのこってりとしたオフェンスで突き進んでいくことができればそれが一番ですね。

完璧なランディフェンス!一方パスは…

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キャリーヤード平均TDLONG
T.ブレイディ3144.719
R.ジョーンズ5112.205
L.フォーネット48203
C.ゴッドウィン12212

ディフェンスではなんといってもバッカニアーズのランを35ヤードに押さえ込んだのが大きいでしょう。Week1ではベアーズに134ヤードも走られましたが、この試合ではその1/4程度でした。ロナルド・ジョーンズが5キャリーで11ヤード、レナード・フォーネットが4キャリーで8ヤード、そしてなんと鈍足で有名なブレイディが3キャリー14ヤードでバッカニアーズのリーディングラッシャーになりました笑

キャリー自体が13回とかなり少なかったものの、チーム平均でも2.7ヤードに抑え込んでいたのでラン守備に関しては完璧だったと言えるでしょう。

一方でパスは432ヤードを通されました。特に17対34と3ポゼッション差で迎えた、4Q残り4:50で始まったバッカニアーズの最後の攻撃シリーズでは、ブレイディが獲得した88ヤードのほとんどをパスで稼がれタッチダウンを許しました。ラムズディフェンス的には3ポゼッション差があったので気の緩みもあったんじゃないかなとは思うのですが、この最後のタッチダウンは試合展開的にももったいなかったですね。

ディフェンスで心配なのが過去2試合75%のスナップで出場していたLBジャスティン・ホリンズが胸筋の負傷でIRに登録されてしまいました。Week1では2サックを含む8タックル(ソロ6回)で勝利に貢献し、Week2、3では先発を任されていましたが無念の負傷となります。コロナ関連の特例でIRに登録されても3週間後であれば無制限に試合に復帰できるルールが今年も適用されるのですが、手術が必要だそうなので早期に戻ってくることはなさそうですね…代わりにLBオボニア・オクロンクオ(とOLのトレメイン・アンチュラム)がIRから復帰するようです。

Week4カーディナルス戦の簡単なプレビュー

次戦はいよいよ同地区ライバル対決。しかもラムズと同じく開幕3連勝中のカーディナルスをホームに迎えた一戦です。

成功/試投成功率ヤード平均TDINTレイティングラッシングヤードラッシングTD
M.スタッフォード66/9470.2%9421091129.8-60
K.マレー78/10276.5%1,0059.974113.4703
過去3試合の合計スタッツ

カーディナルスのQBカイラー・マレーはスタッフォードと並んで今季MVP候補に挙がるほどの大活躍を見せています。3試合ですでにパス1,000ヤードを超えており、タッチダウンも7つ獲得するなど完全に一皮剥けましたね。76.5%という高いパス成功率からもマレーの成長を伺えますが、昨年加入のディアンドレ・ホプキンスにクリスチャン・カーク、新人のロンデール・ムーア、そして今季ベンガルズから加入のA.J.グリーンの4人のレシーバーがそれぞれ少なくとも100ヤード以上獲得しており、レシーバー陣の層が厚くなったのも奏功しているようです。

一方でマレーは昨年819ヤード(平均50.8)を獲得したランは控えめで、ここまで70ヤードにとどまっています。パスの精度も上がったしレシーバーも充実しているのでわざわざ危険を犯してまで走らなくて良くなったというところでしょうか。そのためWeek4はバッカニアーズ戦と同じく激しいパスの応酬が繰り広げられそうです。ただ気になる点としては、バッカニアーズもそうだったのですがカーディナルスがこれまで打ち負かしてきた相手がいずれもディフェンスがあまり良くなさそうで、失点を見ると下から数えた方が早いチームが多いということです。カーディナルスが大量得点をしたから失点が多いのか、そもそもディフェンスが弱いのかを現時点で決めるには時期尚早ですが…また現時点で1,000ヤード以上獲得しているマレーですが、パス成功率は高いものの4INTと精彩を欠く場面が見受けられます。

ディフェンスに関してはなんと言ってもJ.J.ワットの加入、そしてDLが強化されたことによるLBやセカンダリーへの相乗効果によって平均失点は21.7点とかなり低くなっています。特にLBチャンドラー・ジョーンズはWeek1に5サックと大活躍を見せましたね。

全勝同士のこのスタッフォードとマレーのドラフト全体1位対決は間違いなくWeek4の目玉となりますが、ESPNによる勝敗予想では60.9%の確率でラムズ勝利となっています。私もカーディナルスは確かに強くなっているとは思いますが、総合力ではラムズの方が一枚上手なんじゃないかと見ているのでこの予想は妥当かなと思いました。

主な怪我人等

カーディナルス

カーディナルスの主要選手としてはSチャールズ・ワシントンがIR入りしたのと、Gジャスティン・ピュー、OTケルビン・ビーチャム、OTジャスティン・マレーがクエッショナブルとなっているようです。この3人は比較的多くのスナップに参加しており、特にピューはスターターなのでこの3人を欠くようであればマレーにとって痛手となるでしょう。一方で今年未出場で昨年7サックを記録したLBデニス・ガーデックがIRから戻ってくるようです。

ラムズ

ラムズは前節に引き続きRBダレル・ヘンダーソンがクエッショナブルなの加え、リターナーのトゥトゥ・アトウェルもクエッショナブルとなっています。そして前述したLBジャスティン・ホリンズがIR入りした代わりにLBオボニア・オクロンクオとOLトレメイン・アンチュラムが復帰です。

これに勝てばNFC西地区首位に立つ大事な試合。非常に見応えのある試合になりそうですね!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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